生きとし生けるものが幸せでありますように

嫌われものの時計のはなし

2014年 先代猫 みーちゃん(ミチ)と廊下にて

21世紀のお話です。

改修前の佛法学舎の本堂は、一階が女性の宿舎になっていました。
本堂から螺旋(らせん)階段を降りて左に曲がると、3人まで泊まれる和室が二つ。その和室を通り抜けると、
海に面した幅の広い長〜い廊下に出ます。この廊下の階段側の半分を食堂として、もう半分を女性の宿舎として
使っていました。そこでは、お盆やお正月は4〜6人、ふだんは2〜4人が布団を並べる雑魚寝スタイルでした。

廊下の手前のはじっこに食事用の座卓や小机の予備がたたんで立てかけてあり、その上に壁掛け時計が置かれていました。
食事の準備の時、修行者の食事の時、いろんな場面でみんなの役に立っていました。たいへんお世話になっていたのです。

そんな時計さんが、時々行方不明になることがありました。朝や夜、いつもの場所にいない!
探してみると、ある時は引き戸を隔てた螺旋階段の下で見つかります。
またある時は、座布団が覆いかぶさった状態で床に置かれ、めくると文字盤が伏せられていました。

つまり、布団の中で時計の音が気になって、その条件を、外の環境を変えようとして、、、というわけ。

冥想合宿で挑戦すること。思考妄想を止める、全て実況中継で。
最初に教わるこのことが、どれほど大事なことでしょうか。




よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメントをどうぞ

コメントする