生きとし生けるものが幸せでありますように

誰がなんと言おうと自分は人にやさしくする、これが慈しみなのです。

「役に立つか」をチェック

 犬の場合はしっぽをふるだけでもいいでしょうが、人間の場合はそうはいきません。いろいろなことをしなくてはなりません。ですから何をするときも、「これは役に立つか」とチェックしてください。たとえば部屋の掃除をしているなら「この行為は役に立つか」とチェックしてみるのです。このようにチェックするだけで、慈しみが機能するのです。

他人の幸福を喜ぶ

 他人の喜びや幸福を、自分の喜びや幸福だと考えましょう。恨んだり嫉妬したりするのではなく、他人の幸福も「よかった、よかった」と自分の幸福として喜ぶのです。

嫌いな人にも慈しみを

 それから、自分の邪魔をしたり、傷つけたり、足を引っ張ったりする人や、悪事を働く愚か者たちにたいしても、慈しみで対応できる優れた人間になることを目指してください。
 たいていの人は、ここで引っ掛かるのです。「人にやさしくしたいのですが嫌いな人にはやさしくしたくありません」とか「足を引っ張る人にやさしくしたら、さらに私の足を引っ張るのではないか」と言うのです。
 しかし、自分を貶したり傷つけたりする人にたいして慈しみを向けることで、私たちは立派な人間になれるのです。敵を許す人は、臆病者でも負け犬でも腰抜けでもありません。真に強い立派な人間なのです。敵を攻撃してつぶそうとするやり方は、動物のやり方なのです。

慈しみの声に従う

 多くの人はいつでも世間体を気にして、みんなと同じことをしていれば安心だと考えています。でも、世間は無知です。無知のかたまりなのです。そのような愚かな人々の話に耳を傾けたり、言いなりになったり、引きずられたりするのではなく、「慈しみの声」を聞くことが大切です。そうすると優柔不断がなくなります。
 誰がなんと言おうと自分は人にやさしくする、これが慈しみなのです。

スマナサーラ長老 施本
ストレス完治への道(2014)より

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