満開の桜を見て、無知で感情的に興奮するのは正しくない。
咲いた花は美しい。人の目には美しく映るだろう。
桜の木にとまっているカラスにとっては、桜の花はどうでもいいもので、
人間が残した食べかすの方に興味があるかもしれない。
美しいのは、花だけではない。花びらが散って、花が死んでいく。落ちる花びらもまた美しい。
どちらも瞬間的な出来事だ。
執着してしがみつく必要はない。執着してしがみつくことは不可能だ。
不可能なことをしようとするから、余計に苦しくなる。
だから、貪瞋痴の感情を引き起こすのではなく、
「桜の花の美しさは瞬間の出来事だ」と理解するのが正しいアプローチになる。
瞬間だから、面白い。
無常だから、美しい。
無常だから、いかなる現象にも執着できない。
「美しくない」と思うものにも、同じく、悩んだり怒ったりする必要はない。
いずれも瞬間の出来事に過ぎないのだから。
ウェーサーカ祭 祝福法話集p50
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